安倍首相が65歳から70歳雇用の検討を始めるように指示しました。
現在、企業は高齢者が希望すれば65歳まで雇用を確保するよう義務付けられています。
今回の「未来投資会議」で労働人口の減少を鑑みた場合に、雇用を希望する高齢者を70歳まで雇用できるように制度を進めるよう促しました。
ちなみに、年金の受給開始年齢については引き上げないとのこと。
本来、年金の需給年齢も引き上げると言いたいと所でしょうが、セットにしてしまうと炎上してしまうので、引き揚げなしとしたのだと思います。
そもそも、働いて収入が一定金額を超えれば年金は自動的に少なくなりますからね。
さて、70歳雇用制度。いかがでしょうか?
マスコミの報道では賛否両論ありましたが私は賛成です。
そもそも現時点でも、早期リタイア生活をする人がいる一方、高齢でも働いている人がいます。
働くという意味では自分次第だと思いますし、労働市場において自分が求められる人材であれば社会情勢がどうであれ働くことはできますし。
今回の発表も「労働が強制」ではなく「労働者が希望すれば」という前提がありますからね。
現時点で日本人の平均寿命は女性87.06歳 男性81.09歳です。
現在65才までの雇用を基準とするなら、働かない期間が女性22年、男性16年もあるのです。
この事から推測するに、定年は働けないから退職するのではないということが分ります。
死亡する16~20年前に退職しなければいけないほど体力は落ちていませんからね。
実際現在でも、65歳以上で働いている人は744万人いるというデーターがあります。
つまり、現時点で65歳を超えても働いている人はたくさんいるので、珍しいことではないということです。
問題はその中身。
65歳を超えても正規の社員として雇用されている方は、ごく一部の有能な人員だということです。
役員として残るのが代表的な例ですね。
多くの場合、非正規雇用となり収入が激減してしまう。
仕事の内容は同じでも、非正規尾用であるがために得られる報酬が激減してしまうことが多々あるのです。
安倍総理が提案したのは、70歳までの雇用を企業に義務化(但し労働者が希望すれば)
これは企業にとって大きなダメージになります。
何故かと言うと、現在の65歳定年制においては「定年」という理由で社員を合法的に辞めさせることができるわけです。
一旦退職扱いにして非正規雇用で再雇用という技を使えたのです。
能力の高い一部の人材は個別契約で65歳以上も雇用することができます。
しかし、安倍総理が提案した通り70歳になると、本来退職をさせたいと社員であっても継続雇用しなければいけません。
企業にとっては業績が悪化する要素であり、労働者にとっては希望すれば継続雇用ができるメリットがある制度になります。
住宅ローンの完済年齢は75歳までという銀行が多いのですが、現状の65歳定年ですと10年のブランクがあります。
今回の提案が実現すればブランクが5年に短縮されますから、住宅ローンを抱えている人にも朗報なのではないでしょうか?